ハッカ 薄荷

ハッカ(薄荷)の効能・成分|生薬の種類

ハッカ(薄荷)はみなさんもご存じのミントの和名です。スーっとした清涼感のある香りや風味は漢方では生薬の一つとして様々な効能を与えています。

 

漢方的なハッカ(薄荷)の効能には

  • 解表:表面の熱を冷ます作用
  • 透疹:疹毒をすみやかに発疹させて治す作用
  • 発汗:汗をかくのを促す作用
  • 健胃:胃の機能を高める作用

といった効能があり、薬理作用として挙げられているのが、

  • 解熱作用
  • 発汗作用
  • 鎮痙作用
  • 抗アレルギー作用
  • 鎮痛作用
  • 利胆作用
  • 抗菌作用

などがあります。

 

頭痛やめまいといった症状や消化不良といった症状に用いられる漢方薬に配合される生薬です。
また、風邪や頭痛、咽頭痛、歯痛、麻疹、皮膚掻痒症、上気道炎や目の充血、喉の腫れ、痛みといった症状にも用いられます。

 

漢方薬としてはもちろん、お茶などで飲むと胃腸を整えたり、消化を促す働きといった効能も期待できるようです。
口の中を爽快にする働きだけでなく、鎮める作用も持ち合わせているのが特徴となります。

 

湿布などの外用薬にも用いられる生薬です。

 

ハッカ(薄荷)の副作用

特別な副作用は報告されていませんが、体質や症状に合う合わないがある場合があります。

 

ハッカ(薄荷)に含まれる成分

ハッカ(薄荷)の成分には

  • 精油(メントール、メントン、イソメントン、カンフェン、ピネン、リモネンなど)
  • ポリフェノール

などが含まれます。

 

精油成分の70〜90%がメントールを占めています。メントールは広く知られていますね。ハーブやカクテル、お菓子や薬用酒などにも含まれ、香料として食品や歯磨き粉、アロマの分野などでも用いられるくらい身近な存在と言えます。

 

どれも清涼感を与えてスッキリとした気分にしてくれたり、心を落ち着かせる、冷ますといった働きがあるのが特徴と言えます。

 

ハッカ(薄荷)の味(性味)の特徴

生薬の性味・五気では

  • 涼性:体を冷やし消炎や鎮静に作用
  • 辛味:体を温め発汗を促し、肺に作用する

以上に分類されます。

 

ハッカ(薄荷)の原料

シソ科のハッカの地上部分を乾燥させたものを使用します。ほとんどが多年草ではあるものの、一年草も若干あるとされています。
繁殖力が高いのが特徴で、日本では北海道、岡山、広島などで栽培されている他、朝鮮半島、東アジアに分布しています。

 

主に湿った河畔や原野に自生しています。

 

ハッカに近い植物ではセイヨウハッカはペパーミント、ミドリハッカはスペアミントとなり、それぞれがハーブとして用いられています。日本のハッカはジャパニーズミントとして区別されていて、メントールの量が最も多く、合成のメントールができるまでは日本産の天然メントールが世界に輸出されてきた歴史があります。

 

ちなみに最近、話題のハッカ油はハッカの地上部を水蒸気蒸留することで得られる精油を冷却することで、結晶化した薄荷脳(I-メントール)が析出され、この薄荷脳を除くとハッカ油となります。I-メントールは冷却や麻酔作用があり、血流を増加させるなど、外用薬としての原料に用いられています。

 

ハッカ(薄荷)が使用されている主な漢方薬

  • 加味逍遙散(カミショウヨウサン)
  • 加味逍遙散加川?地黄(加味逍遙散合四物湯)(カミショウヨウサンゴウシモツトウ)
  • 響声破笛丸(キョウセイハテキガン)
  • 荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)
  • 荊防敗毒散(ケイボウハイドクサン)
  • 滋陰至宝湯(ジインシホウトウ)
  • 柴胡清肝湯(サイコセイカントウ)
  • 清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)
  • 川キュウ茶調散(センキュウチャチョウサン)
  • 防風通聖散(ボウフウツウショウサン)
  • 逍遙散(八味逍遙散)(ショウヨウサン・ハチミショウヨウサン)

などがあります。

 

加味逍遙散(カミショウヨウサン)

疲れやすく、イライラしやすい時、気分が不安定になりやすい方に用いられる漢方薬で、神経症状に用いられることが多く、自律神経の調整に働きかけるとされています。

 

薄荷(はっか)以外の生薬には、当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、柴胡(さいこ)、牡丹皮(ぼたんぴ)、山梔子(さんしし)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)が含まれています。

 

響声破笛丸(キョウセイハテキガン)

喉の枯れ、いがらっぽいといった時に用いられる漢方薬で歌手の方などにも愛飲されている方が多い漢方薬です。
声の出しすぎによる喉の不調にお勧めされています。

 

薄荷(ハッカ)以外には連翹(れんぎょう)、桔梗(ききょう)、甘草(かんぞう)、大黄(だいおう)、芍薬(しゃくやく)、川きゅう(せんきゅう)、阿仙薬(あせんやく)、訶子(かし)、縮砂(しゅくしゅ)が含まれます。

 

柴胡清肝湯(サイコセイカントウ)

炎症を緩和し、血行を促す働きを持つ漢方薬です。神経の高ぶりを鎮めるといった目的で用いられるのが特徴です。

 

薄荷(ハッカ)以外には柴胡(サイコ)、黄ゴン(オウゴン)、黄柏(オウバク)、黄連(オウレン)、カ楼根(カロコン)、甘草(カンゾウ)、桔梗(キキョウ)、山梔子(サンシシ)、地黄(ジオウ)、芍薬(シャクヤク)、川きゅう(センキュウ)、当帰(トウキ)、連翹(レンギョウ)、牛蒡子(ゴボウシ)といった生薬が含まれます。

 

荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)

体の熱を引き、発散させ血液循環を良くするといった目的で用いられる漢方薬です。
蓄膿症や慢性の鼻炎といった症状におすすめされています。

 

薄荷(ハッカ)以外には黄ごん(オウゴン)、黄柏(オウバク)、黄連(オウレン)、桔梗(キキョウ)、枳実(キジツ)、荊芥(ケイガイ)、柴胡(サイコ)、山梔子(サンシシ)
、地黄(ジオウ)、芍薬(シャクヤク)、川きゅう(センキュウ)、当帰(トウキ)、白し(ビャクシ)、防風(ボウフウ)、連翹(レンギョウ)、甘草(カンゾウ)といった生薬が含まれます。

 

いくつか漢方薬をピックアップしましたが、これらは高ぶりを鎮める働きや通りを良くして巡りを促し症状を緩和、改善させるといった目的の漢方で、これだけではありませんが、薄荷(ハッカ)の特徴が活かされていると言えます。

 

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